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執筆者の写真行政書士 上床紀貴

安定型最終処分場とは

建物の老朽化に伴い、解体工事が普及し、そのゴミ処分で、主役となるのが「安定型最終処分場」ですね。解体業者、建設業者の方々は、欲しい施設ですね。


では、安定型最終処分場とは、どんなものなんでしょうか?


極論… 


「穴にごみを埋める。」


という施設です。


穴はどうするのか、


主に、山間部の谷を利用します。幅広い谷がいいですね。

谷にごみを埋めていきます。処分場といっても、何か、工場のような

建物を作る必要は全くありません。


谷にごみを埋めて、その上に土を被せて、またごみを埋めてと、

サンドイッチにして埋め上げていきます。


「ごみを埋めたら、地球に悪いし、有害な水が流れるじゃないか!?」


そうですね。有害な水が流れない様に、

安定型は、限られたごみしか埋める事が出来ません。


・がれき類

・金属くず

・廃プラスチック類

・ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず

・ゴムくず


以上のごみしか埋めることができません。


これらは、埋立てたとしても、微生物によって、ほとんど化学変化をしない、

安定化された物達なんです。


化学変化しない、ということは、


「腐らない・溶けない・臭わない」ということです。


安定化されているので、名前は、「安定5品目」といいます。


現に、これらは、ごみになる前は、日ざらし、雨ざらしで使用されている物

ですよね。


なので、そもそも、腐る物を埋める訳でもないので、有害な水が流れるという

ことはないのです。


安定5品目しか、埋めることができませんので、


ごみ搬入時に、展開検査が義務付られています。

また、有機物が混入いていたら、排水に影響しますので、

毎月1回、排水の水質検査があります。


超大雑把ですが、以上が、安定型最終処分場という施設です。



最終処分場の必要性というのは、高まっていますが、

地域住民からは、「我が家の裏庭には御免」という扱いをされます。


法令により、構造基準、維持管理基準が定められており、

何より、厳しい罰則に縛られている、産廃業です。

安全な、適正な運用をしているかは、常に法律が見張っており、

法律違反があれば、許可取り消しかもしれない…。

神の見えざる手のような、何もしなくても、適正な運営をせざるを得ない業界に

なっていると思います。


しかし、理屈ではなく、理由もなく、反対をされるニンビー施設です。

説明会で罵声は付き物です。


「反対だから事業が出来ない。」という訳ではないが、


この事業では、

行政手続きを進めるうえでも、事業を運営するうえでも、

地域住民とのコミュニケーションが勝負の分かれ目となるのは確かです。








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