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【開発の裏側】最終処分場実現への最大にして最難関のハードルとは?

  • 執筆者の写真: 行政書士 上床紀貴
    行政書士 上床紀貴
  • 11 時間前
  • 読了時間: 4分

こんにちは。宮崎市の産廃専門・行政書士の上床(うわとこ)です。

今回は、私が実務で深く関わっている「最終処分場」の建設について、その舞台裏を少しお話しさせてください。

何十億円もの売上が見込める一大プロジェクトである最終処分場ですが、実現に向けて私が「ここが一番の難関だ……」と常々痛感しているプロセスがあります。

それは、関係法令のクリアでも、行政との交渉でもありません。 実は、一番最初の最初である「土地の取得(とりまとめ)」なのです。



一筆の土地が、数千万円・数十億円の利益を吹き飛ばす


最終処分場や太陽光発電施設、最近増えている蓄電池の設置といった大規模な山林開発には、何十筆、時には100を超える土地をまとめる必要があります。

想像してみてください。どれだけ順調に土地を買い進めても、計画地の真ん中にある、たった一筆(1区画)の土地が手に入らなければ、それまでの苦労はすべて水の泡。最悪の場合、計画そのものを変更せざるを得なくなり、見込めていた数千万、数十億円という利益が一瞬で吹き飛ぶことだってあるのです。


当然、莫大なお金もかかりますし、広大な土地ゆえに期間も何年もかかります。何より「いつまとまるか」の目途が立てづらい。事業者のみなさまが一番苦労されているのが、まさにこの部分です。


「山の土地」は誰も助けてくれないという現実


街中を歩けば不動産会社をたくさん見かけますよね。市街地の不動産取引であれば、みなさん笑顔で親切に対応してくれます。


しかし…

これが「山の取引」となり、さらに「何十筆、100を超える土地・山林」となった瞬間、対応してくれる不動産会社は本当にいなくなります。驚くほど希少です。

つまり、頼れる専門家が見つからず、みなさん完全な自力で孤独に土地の取得に励まれているのが実情なのです。

だからこそ、私は常々感じています。 事業の命運を握る「地味だけど最もシビアな業務」こそが、この土地のとりまとめなのだと。




オマケ・ちょっと珍しいお話。

実録!「仕組まれた虫食い」との遭遇

ここで、私が実際に経験した驚きのエピソードを紹介します。

大規模開発を阻む手法として、業界ではよく「虫食い」という言葉が使われます。開発予定地の一等地や、谷部のような「そこを押さえられたら事業が成り立たない重要な部分」を第三者が先回りして取得し、事業をストップさせる妨害工作のことです。


ある案件でのこと。 事業主さまが全ての土地を買い占め、「さあ、最終処分場を進めるぞ!」となった段階での調査でした。登記簿上は「山林」や「原野」で、外から見てもただの険しい山と谷。農地なんてどこにも見当たりません。


しかし、念のために農業委員会で「農地台帳」を調べてみると……。 なんと、一番重要な「谷部」の土地一筆だけが、しっかり「農地」として登録されていたのです。

最終処分場(特に安定型処分場)にとって、谷はゴミを埋め立てるためのまさに生命線。 なぜ、こんな険しい山奥の谷底が「農地」になっているのか? 詳しく調べていくと、奇妙な事実が浮かび上がってきました。


登録されたのは、わずか3年前。名義人は、当時89歳(現在92歳)のおばあちゃん。面積は一反(約300坪)にも満たない。

……あり得ますか? 道なき道の険しい山奥へ、90歳近いおばあちゃんがわざわざ耕作しに通うなど、現実的には考えられません。3年で農地が山林へ変わるわけもない。

これは、所有権を買い取る王道の虫食いではなく、「あえて農地として登録させることで、手続きを複雑にして事業を阻む」という、第三者(競合相手など)による極めて巧妙な嫌がらせだったのです。


プロとしての切り返し

農地として登録されている以上、そのままでは開発できません。本来なら「農地転用」という非常に手間のかかる手続きが必要になります。

しかし、そこは行政書士の腕の見せ所。 実際の現地は完全に「山」ですから、現況主義(手続きの時点での実際の土地の状態を重視する原則)に基づき、「非農地証明」を取得するというルートを選択しました。結果としてその土地をクリアにできましたが、敵もさるもの、「ここまでやるか……」と舌を巻いた一件でした。


 
 
 

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